2012.03.13

小学校訪問「授業力」 3/13

市内の小学校で道徳の授業を参観させていただいた。4月から小学校に赴任する予定の大学4年生4名と共に訪問した。参観させていただいたのは、小学校4年生32名のクラス。素材(テーマ)は「いじめ」で、思いやりの心や正義感を育てる授業。アニメのキャラクターを使った導入から、最後の感想の記述まで、教師の高い力量がにじみ出る良い授業だっった。

教室に入った途端、コの字型の机配置と真ん中にプロジェクタ。発表や意見交換を意図する授業では、いつもこのスタイルを使われているということ。3学期のもう最終に近いこの時期に、授業を参観させていただけることに感謝。「普段着の授業です」ということだったけれど、日常の授業こそが大切だし、それを参観させていただけることに、またまた感謝。

導入から展開、まとめまで区切り無くスムースに、子ども達を授業の中に引き込んでいくポイントは、子ども達の発言や表情を自然に読み取り、即応した授業展開を進めていく教師の技だと感じた。4年生なので、児童間のディスカッションではなく意見発表だったが、こんなスタイルの授業を続けていけば、高学年になるとディスカッションに発展できる。教師の指示やつぶやきを見せていただいているうちに、ハーバードのサンデル先生の講義がイメージされた。

教師が教えたたいことが、児童から言葉として発表され、教師がそれを板書していくと本時の目標に沿った板書が完成する。子ども達にとっても、とても達成感のある授業だったと思う。

授業参観後、校長先生から4名の学生に対してご指導いただいた。4月から教壇に立つ学生たちにとって、本当に身になるお話だったし、不安を期待に変えるお話をいただいた。

学校を後にして、夕方からは新任1年目を終えようとする現職2名と4年生6名、3年生2名による懇親会形式のセミナー。僕が関係する3大学のOB、OG、現役生が現場の様子を、年齢が近い新任教員から学ぶとても良い機会になった。多くが初対面だったけれど、互いにアドレス交換をしてネットワークが広がっていく。タイプの違う2名の新任現職からの学びはとても大きかった。

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2007.12.08

教員免許更新制

教育はターゲットになりやすい。教員資質向上を目標にかかげた教員免許更新制も,出会い頭的に決定され,それを決めた張本人は,官邸にはもういない。免許更新制における講習についても,詳細な内容は未だに検討中ばかり。しかし,平成21年4月以降に授与された免許状は10年間の有効期限が法制化され,それ以前の免許状についても更新講習を受けなければ失効することが決定されている。この講習の財政規模が30億円。メディア教育開発センターの予算よりも多い。もっとも,これは,「個人の資格の資格に関すること」なので,教員の個人負担になるらしいけれど。何か,お金の使い方がおかしい気がする。教員の資質向上が掲げられた教員免許更新制。しかし,有効期限が10年間に決められた教員免許の魅力がなくなり,教職課程,教員養成大学を希望する学生が減少,そして優秀な人材の喪失というプログラムを官邸が選択したことになることに,みんなはいつ気付くのだろうか。もうその兆候はではじめているという声が大学関係者から聞こえ始めているというのに・・・。

もともと教員には,全員に義務づけられている悉皆(しっかい)研修がある。初任者研修,教職5年目研修,教職10年目研修。その他,主に教育センターが各種の研修を企画運営して,近年,受講する教員が増加している。研修が充実するのに反して,自治体の教育センターの職員が経費削減で減員され手一杯。
一般には,こうした現状があまり知られていないかもしれない。でも,政治の中枢部を担う人や文科省には当然分かっていることだし分かっていないと困る。免許更新講習は,どうやら大学が中心になって実施されるらしい。一人30時間の講習,修了試験。いったい誰が担当するんだろう。

あっ,教員ではなくなった僕にとっては別世界のお話かな。教員ではなくなった僕は,現時点では免許更新講習受講資格もないわけだし・・・

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2007.09.17

「大学教育と協同学習」講演 9/12

20070912ch
中京大学と南山大学で開催されたロジャー・ジョンソン教授(Dr.Roger T Johnson)とデービット・ジョンソン教授(Dr.David T Johnson)の協同学習についてのご講演をお聴きした。お二人は,ミネソタ大学から来日されている協同学習(Cooperative Learning)の世界的な研究者。
中京大学では,午後3時~4時半「学生参加型の大学授業の方法」,南山大学では午後6時~8時「グループダイナミクス研究の実践的展開~人間関係を基盤とした自己実現をめざして~」の2本立て。めったにない機会なので,両方に参加した。
情報教育とはちょっと離れたテーマだけれど,普段あまり勉強する機会が無いだけにとても勉強になった。2つのご講演は,結局,同じ内容ではあったけれど,同じ内容を2回お聴きする良さを実感。特に,通訳者つきの英語での講演。2度目は,英語のお話が耳に入ってきてよく理解できる。通訳者も別の方だったので,よけいそう感じた。講演は,グループ学習のワークショップを取り入れながら,リラックスしてお聴きできた。
Cooperation(協同)とIndividual(個),Competition(競争)の関係について詳しく説明された。学習活動の中に3つの要素は含まれるけれど,Cooperation(協同)の活動を中心にもってくることで,「教師から学ぶだけでなく,教材から学ぶだけではなく,お互いから学ぶことができる」という学習活動に転換する。
20070912na
南山大の講演の後,個人的に質問にも答えていただけるというので,質問させていただいた。「アメリカは個人が責任を持つ社会というバックボーン,日本は個を押さえる傾向。こうした社会的バックボーンの違いと協同学習の関係は?」という質問。とても丁寧に答えていただいた。「日本は,シェアーできる基盤があるならば,むしろベター。戦後の企業の大発展も,そうした面があったからじゃないか」。しかし,「日本は滅私奉公的で,個人が責任をもつのとは,ちょっと違う」という僕の再質問に,「個人が大切にされ,個人が責任をもつということは大切」と答えていただいた。もっと続きをお聴きしたかったけれど,この後は,ご著書で勉強して解決していきたいと思った。
なかなかハードだったけれど,おもしろかった。また,久しぶりにOHPを使ったプレゼン。手書きのTPもあって,いつもパワーポイントのプレゼンを見慣れている自分にとっては,かえって新鮮に感じた。これも一つの発見。もうひとつ,英語を勉強しないと・・・。なんとか独力で質問をと挑戦したけれど,答えていただいた内容は,通訳していただかないとしっかり理解できない。うーん,勉強は続くなぁ。

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2007.07.18

教員免許更新制

文部科学省の「新着情報サービス」メールマガジン,初等中等局の「初中教育ニュース」メールマガジンは,教員など教育関係者は,登録しておくと役に立つ。最新情報が,真っ先に手に入る。教員免許更新についても,それらから情報収集。先日閉会した,第166回国会での文部科学省成立法律は,是非,原文を見ておきたい。
特に,教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正は,教員免許の10年更新制度についての改正。気合いを入れて全文を読んだけれど,よくわからい。どうして,こんな日本語が書けるのだろうか。法律は,法律家のためにあるのではなくて,主権者の国民のためのもの。とにかく,日本語が通らない。正確を期すための表現なのは分かるけれど,きっとこの文章ではPisaの表現力では最低になりそう・・・。
更新制度については,こちらの「国会における主な論点」について興味深い。「更新講習と10年経験者研修との関係はどうなるのか。 」「山間部や離島などにおける講習はどのように確保するのか。」「すでに免許状取得後10年以上経過している現職教員の受講時期はどのように決まるのか。」「いわゆるペーパーティーチャーの取扱いはどうなるのか。」」などなど・・・・。
中でも,「更新講習の開設者はどのようなものを想定しているのか。」に対する銭谷初等中等教育局長の答弁は,大学が頭を痛めていそう。
教員免許は、大学での国の定めた基準に基づく所要の単位取得を前提に授与しているものでございますので、免許更新講習の主たる開設主体も、教員養成課程を有する大学、これがやはり中心になるというふうに想定をいたしております。ただ、御案内のように、いわゆる教員養成課程以外で教員養成を行っている、教職課程として認定を受けている大学も八百以上あるわけでございますので、教員養成課程ではございませんけれども、教職課程として認定を受けている大学も免許更新講習の主体にはなり得ると思っております。」
大学が単位を出したのだから,大学で更新講習をということかな。現職教員も大変だけれど,大学の教員はもっと大変なことになる。とりわけ,教員養成系の大学は,国立大学法人化で財政事情は極端に悪化している地方の大学が多く,更新講習にどれだけ力を入れられるのだろうか?文部科学大臣からは,更新講習開設大学への財政面での支援を打ち出しているけれど,はたして・・・・。
現職教員の勤務の現状からみて,1人30時間の更新講習は,夏休みが中心にならざるを得ないだろう。そうすると,大学の教育系の教員には,夏休みがなくなってしまうのかな。どんな具体的なシステムで運用していくかの計画は,これかららしい。楽しみに,注目していたい。

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2006.07.15

企業の人材育成

電力系企業の人材育成についての研修に参加する機会に恵まれた。資本金が70億円以上,従業員が5000人ほどの大企業の人材育成,新人教育にはとても興味があった。その人材育成教育は,次の3つが柱になっている。
Compliance (コンプライアンス)
-法令遵守,悪いことは悪い-
Comunication(コミュニケーション)
-人間関係維持能力-
Challenge(チャレンジ)
-挑戦!目標がないことが心配-

産業界の人作りで大切なことは,「現場力・実践力」。現場のニーズに応じた実践力がないと,現場では役に立たない人材になってしまう。実践力とは「現場で役立つ人材」ということ。人材教育・研修の目的がはっきりしている。実際に,新入社員教育や節目の経年研修を担当している講師の先生方からのお話からは,人材が企業の柱であるという強い思いが伝わってくる。
しかし,入社当初の若者達に感じることは,「あいさつをしない,服装などの外見を気にしすぎている」という,私たちと同じ感覚だった。学校教育の甘さが,彼らの第一印象になってしまっているところが気になった。新人教育の第一歩が,社会人としてのマナー,企業人としてのマナーのしつけということ。何か学校教育での課題をつきつけられた感じがした。挨拶云々というよりも,自立できていない子ども達を,社会に送り出している学校教育の問題点ということだけれど・・・

また,企業の人作りの目標の中に,「自らの立場・自らの意志・自らの課題・自ら改革・自ら考える力」など,「自ら」という言葉の多さに,改めて驚いた。こう考えてみると,「自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てる」,「問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにする」という学校教育の中での教育目標は,社会に出てからの子ども達を支える重要な目標になる。
この目標,最近は学力向上論の陰に隠れてしまった「総合的な学習の時間」の目標。(学習指導要領「総則」
今学校現場で実践が進んでいる基礎学力(読み書き計算)が中心の学力向上から,「学力はもちろん、「確かな学力」であり、知識技能に加えて、学ぶ意欲、学び方があり、思考力、判断力、表現力があり、課題発見能力、問題解決能力」(堀口秀嗣先生@常磐大学)という学力向上を目指す方向に転換していく必要性を,強く感じている。

昨日の「中日新聞朝刊」のコラムで,「小中学生は『論理』『数学的思考力』が課題」が指摘されている。基礎学力向上論のきっかけになったOECDのPISAテスト。しかし,ようやく,読解力,思考力の弱さが課題ということが認識され始めてきた。基礎学力は大切に決まっているが,計算ドリルや漢字の書き取り一辺倒の「学力向上対策」では,次回のPISAでも,前回以上に『学力』低下が進むことになる。これまでのPISAでは,計算能力などの基礎学力は日本は上位グループ。必要なのは,読解力,思考力を含む応用力なのだから。

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